言語の障壁を克服する

簡潔に書く

  • 明快
  • 正確
  • 簡潔

論文を執筆する際は、要点を漏れなく網羅しつつ、できる限り端的にまとめましょう。

とにかくシンプルに!シンプルな文章は一般に複雑な文章よりも明快であり、正確、簡潔です。高度な内容を執筆する場合は、不必要に複雑な表現を使うと読者の混乱を招き伝えたい内容が正しく伝わりません。

より明快、正確、簡潔な論文を書くための方法

  • 1文には1つのアイデアのみを記す。
  • 受動態ではなく能動態をできるだけ使う。
  • 不必要または曖昧な言葉は排除し、より具体的な言葉を使う。
  • 回りくどい文章や冗長な表現は避ける。

Purdue Online Writing Labは、簡潔な文章を書くための豊富な文例を紹介している有用なリソースです。

比較 (between, among, like, with, than)

結果のセクションでは比較内容を記述する場合が多いです。比較する場合は次の点に留意しましょう。

  • 似たもの同士を比較する
  • 曖昧な表現は避けできる限り具体的に書く。
  • 「reduced」「increased」「decreased」といった言葉は、異なる2つのものではなく、同じものについて過去の状態と比較する場合にのみ使用する。異なる2つのもの(例:患者群)を比較する場合には、「higher」「shorter」「more」などの単語を使う。
  • 2つのものを比較する場合は「between」を、3つ以上のものを比較する場合は 「among」を使う。

×: The material from the riverbank was compared with the landfill.

○: The material from the riverbank was compared with that from the landfill.

It doesn't make sense to compare material to a landfill. Instead, we need to compare like with like - that is, material from the riverbank with material from the landfill.

○: Expression levels of p53 in smokers were compared with p53 levels in non-smokers.

◎: Expression levels of p53 in smokers were compared with those in non-smokers. Here "those" means "expression levels of p53."

この文で「those」は「expression levels of p53」を指します。1文中に同じ単語を繰り返すと読み手に退屈な印象を与えます。

×: Reactions with the new machine were faster.

○: Reactions with the new machine were faster than those with the old machine.

最初の文では、読者は比較対象が何かわかりません。

×: In our study, time until eating and inpatient time after surgery were reduced in the L Group compared with the T Group.

○: In our study, time until eating and inpatient time after surgery were shorter in the L Group than in the T Group. 異なる2つのものを比較する場合「reduced」は使えません。

固有名詞

名詞とは、人、もの、アイデアなどを指す単語です。固有名詞とは、人、組織または場所などの具体的な名称です。固有名詞の最初の文字は必ず大文字で表記します。

例:

人名:

Gillian Welch, Steve Jobs, Derk Haank, Hillary Clinton

企業・組織名:

World Wildlife Fund, United Nations, Volkswagen, Springer

国・都市名:

Australia, India, Germany, New York, London, Beijing

月、曜日:

January, Monday

大文字表記しない例:

2つ以上のものを指す名詞:

The experiment was performed at two centers

(see tables 3 and 4)

科学物質名、医薬品の一般名:

acetaminophen, benzene

冠詞

英語には3種類の冠詞があります(aanthe)。これらは不定冠詞(aan)と定冠詞(the)に分かれます。

不定冠詞とは、読み手または聞き手が具体的に知らない何かを指します。すなわち、aおよびanは、これまでに言及していない何かまたは誰かを引き合いに出す場合にその名詞の前に付けます。

例:

"I witnessed an eclipse this morning."

"I wrote a laboratory report before lunch."

職業について言及する場合にも「a」および「an」を使います。例:

"I am an ethicist."

"I am a scientist."

後ろに続く名詞の発音が子音で始まる場合には「a」を使います。例:

"a city", "a factory", "a hotel", "a university"

後ろに続く名詞の発音が母音で始まる場合には「an」を使います。 例:

"an hour", "an umbrella", "an owl", "an igloo".

読み手あるいは聞き手が、話題の対象である特定の人または物を知っている、あるいは識別できる場合には「the」を使います。例:

"The results were confirmed."

"Did you unlock the door?"

すでに言及した内容を引き合いに出す場合にも「the」を使います。例:

"Each vector encoded a protein with a different reporter molecule. The size of the protein was..."

また、地理的特徴に言及する際にも「the」を使います。例:

"the Tropic of Capricorn", "the English channel", "the Himalayas".

さらに、唯一存在する事物を指す特定の名詞の前にも「the」を使います。例:

"the sun", "the world", "the Imperial Palace"

Respectively」の使い方

英語が母国語でない人の間では、副詞「Respectively」の誤用がよく見受けられます。「Respectively」無しではセンテンスが明瞭にならない場合にのみ使用します。

例:

上記のデータを論文中で説明すると、次のようになります。

Oxygen, nitrogen and hydrogen detector flows were set at 85, 7, and 4 mL/min, respectively.

このように記述すると、最初に記述した気体は最初に記述した数値に、2番目に記述した気体は2番目に記述した数値に対応することが明確になります。

その他の例:

×: The two values were 143.2 and 21.6, respectively.

○: The two values were 143.2 and 21.6.

×: The two tubes were labeled B and S, respectively.

○: The tubes containing blood and saline were labeled B and S, respectively.

数と単位

1桁の数字(19)はスペルアウトします(測定単位、時間単位を除く)。測定単位や時間単位および2桁以上の数はアラビア数字で表記します。文が数で始まる場合には必ずスペルアウトしますが、文を数で始めるのはなるべく避けましょう

例:

○:Fifteen days previously…

×:15 days previously…

例:

The sample included 34 men with type A blood, 15 with type B, and 3 with type AB.

数を2つ並べる場合は、異なる表記スタイルを使います。

例:

○:Five 50-kg women,

×:5 50-kg women

数と単位の使い方については、AMA Manual of Styleを参考にしましょう。

スペース

  • 生命科学では一般的に数とパーセント記号の間にはスペースを入れない(例:48%)。一方、物理科学ではスペースを入れる場合がある(48 %)。ジャーナルの投稿規定または論文サンプルで確認すること。
  • 数と測定単位の間にはスペースを入れる(例:178 mm)。

少数

  • • 小数点の前にゼロ(0)を記載する(例:0.28 mL)。ただし、P値を表記する場合は不要(例:P = .04)。

率、割合、分数

  • 割合の場合は斜線(/)を、比の場合はコロン(:)を使う。
    About 1/3 of samples...
    The ratio was 3:4.5...
    The rate averaged 40/100,000 people...
  • 名詞を修飾する分数はスペルアウトする。
    Half the cases showed...
    A two-thirds majority...
  • 範囲または連続する数を記載する場合は、最終項目の後に単位を記載する。
    ×: 25 mg-30 mg
    ○: 25-30 mg
  • エンダッシュ(—)の前後にはスペースを入れない
    ×: The three sites — Taipei, Shanghai, and Bangkok — all experienced severe weather events in the time period studied.
    ○: The three sites-Taipei, Shanghai, and Bangkok-all experienced severe weather events in the time period studied.

スペル

スペルは英国式、米国式のどちらを使うべきでしょうか?

米国系ジャーナルは米国式、英国系ジャーナルは英国式のスペルを要求します。ただし、多くのジャーナルはいずれの形式も認めています。ジャーナルの投稿規定に指定が無い場合は、論文全体でのスペルの統一にのみ留意しておきましょう

  • 原稿の書式設定

例:

US UK
fiber fibre
center centre
labeling labelling
color colour

Microsoft Word にはスペルチェック機能があります。Word 2010をご利用の場合は、テキストをすべて選択後、「校閲」→「言語」→「校正言語の設定」を選択し、使用する英語の種類を選択します。単語のスペルが間違っていると赤色の波線が表示されます。波線が表示されない場合は、「ファイル」→「オプション」→「文章校正」で、「この文書のみ、結果を表す波線を表示しない」のチェックマークを外します。その他のバージョンにおける利用法についてはマイクロソフト社のウェブサイト等でご確認ください。

句読点

コロン(:)とセミコロン(;)は、使い方が誤っているケースが散見されます。

コロンは、項目の列記、あるいは節を節で説明するときに使います。

例:

There are a number of BioMed Central journals that accept manuscripts dealing with biotechnology: Biotechnology for Biofuels, Journal of Nanobiotechnology, BMC Biotechnology and Microbial Cell Factories.

セミコロンには2つの使い方があります

  • 2つの独立節(それ自体で完全なセンテンスに成りうる節)を「and」または「while」などの接続語を使わずに区切る。
  • コンマを伴う列挙された項目を区切る。コンマの使用が混乱を招く可能性がある場合には、コンマの代わりにセミコロンを使用する。

例:

The volcano erupted unexpectedly; magma flowed toward three major cities at an alarming rate.

これら2つの節は、それぞれが独立した文になり得ます。「The volcano erupted unexpectedly. Magma was flowing towards three major cities at an alarming rate.」 しかし、セミコロンを使うことで、これら2つの文に関連があることが示されます。実際にどのような関連があるかについては、通常、文脈から判断します。

She works all day as a nurse in a retirement home; in addition, she is studying in the evenings to become a doctor.

Dr. Benaud is a French researcher; however, he lives in Antarctica.

Thousands of mites crossed the barrier from region A to region B every hour; therefore, it was not possible to count all of them.

Our main findings were that uninsured patients are most likely to visit the emergency room for their health care needs; that children, the elderly, and the unemployed are the groups most affected by lack of insurance; and that the uninsured are a heavy burden on hospitals.

Large/Small/High/Low

large」と「small」は、通常、大きさや体積、質量の変動や変化を表すときに用います。「high」と「low」はレベルや数を表すときに用います。「high」と「low」の使用が適切な場合に「large」と「small」を誤って用いている場合がよく見受けられます。

例:

×: Large particulate and ozone emissions were measured in Beijing's air on 278 days in 2009.

○: High particulate and ozone emissions were measured in Beijing's air on 278 days in 2009.

×: A low amount of the processor's memory is taken by the browser application and graphics rendering.

○: A small amount of the processor's memory is taken by the browser application and graphics rendering.

×: A high fluctuation in average storm drain outflow was detected between June 4 and 18.

○: A large fluctuation in average storm drain outflow was detected between June 4 and 18.

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