タイトルとアブストラクトを書く

良いタイトルとアブストラクトの重要性

タイトルとアブストラクトは論文のなかで最も目立つ箇所です。

査読の依頼にはタイトルとアブストラクトを用います。依頼を受けた査読者は、タイトルとアブストラクトだけに基づき論文を査読するか判断します。

発表された論文は、論文本文よりもタイトルとアブストラクトの方がよく読まれます。実際、タイトルとアブストラクトしか読まれない場合が多く、かつ1度しか読まれないことがほとんどです。したがって、できるだけ簡潔かつ内容を正確に表現している読みやすいタイトルとアブストラクトにして、読者の注意を引きつけることが重要です。

論文の検索には、オンライン上の検索エンジンがよく用いられます。通常用いられるデータベースは、タイトルや著者一覧、アブストラクトは含みますが、著者が設けたキーワードは含みません。例えば、MedlinePubMedの米国国立医学図書館のデータベース等がそうです。したがって、タイトルやアブストラクトには、読者が検索に用いる可能性の高い用語を含めることが重要です。

PubMedで「Related Article」として検索してもらいたい場合は、一般的な用語よりも、論文中で使用頻度が高い用語やタイトルに含まれる専門用語のほうがより検索率が高くなる仕組みになっていることにご注意ください。

論文が検索されやすくするためのタイトル作成のポイント

タイトルは、読者の注意を引き付けるための重要な要素です。検索用のデータベースがアブストラクトを含んでいない場合は特に重要になります。したがって、タイトルは可能な限り正確かつ具体的で完結したものにしましょう。

タイトル作成のヒント

  • 薬物の種類ではなく特定の薬物名のように、一般的な用語ではなく具体的な用語で記述する。
  • 簡潔な語順で、一般的な単語の組み合わせを用いる。(例:「delinquency amongst juveniles」よりも「juvenile delinquency」の方が一般的)
  • 分野が異なると違う意味になることもあるので、略語の使用は避ける。
  • 頭字語は避ける。(例:カルシウムの「Ca」はがんを意味する「CA」と誤解される場合がある。)
  • 学名は略さずに記載する。(例:「E. col」ではなく「Escherichia coli」と書く。)
  • 学名は公式名称ではなく一般的な総称で書く。
  • タイトルにローマ数字の使用は避ける。「part III」が「factor III」と間違えられる可能性がある。

アブストラクトには最も重要な情報を選ぶ

アブストラクトには、背景、方法、結果について限られた単語数で内容を記述するとともに、研究の最も重要な側面を示さなければなりません。論文をさまざまな視点から評価し、アブストラクトに含めるべき重要な要素を選び出しましょう。

アブストラクトが完成したら、説明が十分に明確になされているかを研究に関与していない同僚に確認してもらいましょう。論文の執筆後は、最終的な論文の内容とアブストラクトに矛盾がないかを確認しましょう。

アブストラクトの構成

アブストラクトは構造化アブストラクトにしましょう。研究のさまざまな側面をまとめやすく、またより明確化することができ、査読者や読者が論文の内容を評価するうえでも役立ちます。

ジャーナルや論文の種類によってアブストラクトの構造は異なります。論文の種類別に異なる要件やジャーナル投稿規定に従っているかを確認しましょう。例えば、BioMed Central社のThe BMCシリーズでは、生物学分野と医学分野のジャーナルではアブストラクトの要件が異なっているのでご注意ください。

The BMCシリーズの生物学ジャーナルに投稿する際は、構造化アブストラクトにしなければなりません。

  • 背景:その分野の現時点における知見に研究を照らし合わせ、研究の目的を一覧にする。つまり、なぜその研究を行ったのか実施理由をまとめる。
  • 結果:研究の主な結果を説明する。
  • 結論:論文の概要および結果が意味するものについて記述する。

The BMCシリーズの医学ジャーナルに投稿する際は、背景、方法、結果、結論の順に構成しましょう。背景、結果、結論の書き方は、生物学ジャーナルと同じです。方法は、研究をどのように実施したかをまとめ、用いた様々な技術について記述しましょう。統計的検定を実施した場合は、その詳細も含めましょう。

BioMed Central社の各ジャーナルについて、詳細な要件については各ジャーナルの投稿規定をご確認ください。

アブストラクト執筆に関するヒント

  • アブストラクトの単語数を確認する。アブストラクトは350単語を超えてはならない。長すぎると、論文本文の要約としての機能を果たすことができず、インデックスされるときに超過分が削除される可能性がある。
  • タイトルに含まれる単語や概念の類義語を含める。例えば、タイトルに「stillbirths」という単語を用いている場合、意味が同じであればアブストラクトでは「perinatal deaths」という単語を用いよう。
  • タイトルの作成時と同様に、平易な言葉、一般的な言葉の組み合わせを用いる。
  • 論文の要点を含み、一貫性があることを確認する。論文本文で説明しているポイントのみをアブストラクトでは示す。
  • 略語の使用は最小限にする。
  • 参考文献の引用は避ける。
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